古物を買い取って、転売するには古物商許可を受ける必要があります。
古物商許可が必要となる場合や、取得方法を以下で見てみましょう。
古物とは
「古物」とは、古物営業法第2条で次のように定義されています。
古物営業法第2条(定義)
この法律において「古物」とは、一度使用された物品(鑑賞的美術品及び商品券、乗車券、郵便切手その他政令で定めるこれらに類する証票その他の物を含み、大型機械類(船舶、航空機、工作機械その他これらに類する物をいう。)で政令で定めるものを除く。以下同じ。)若しくは使用されない物品で使用のために取引されたもの又はこれらの物品に幾分の手入れをしたものをいう。
一度使用された物品(中略)若しくは使用されない物品で使用のために取引されたもの又はこれらの物品に幾分の手入れをしたものをいう。
つまり未使用・使用済みを問わず、一度売買や譲渡が行われたものは「古物」に該当し、これを買取販売する場合は古物商許可が必要となります。
他方、船舶・航空機・大型の機械等は「古物」に該当しないケースがあり、こうした物品を買取販売する場合は古物商許可は不要です。
古物商許可を受けられない場合
申請者、法人役員が以下の「欠格事由」に該当する場合は、許可を受けることができません。
- 未成年者(未婚又は法定代理人から営業の許可を受けていない未成年者)
- 営業所ごとに管理者を選任すると認められないことについて相当の理由がある方
- 住所の定まらない方
- 古物営業法第24条の規定により、古物商の許可を取り消されてから5年を経過しない方等
- 成年被後見人もしくは被保佐人又は破産者で復権を得ない方
- 禁錮以上の刑に処せられ、又は古物営業法第31条に規定する罪(無許可営業、許可の不正取得、名義貸し、営業停止命令違反)もしくは刑法第247条(背任)、第254条(遺失物横領)もしくは第256条第2項(盗品等の買取等)に規定する罪を犯して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることのなくなった日から起算して5年を経過しない方
- 法人のうち役員の中に上記3~6までのいずれかに該当する方がいる法人
警察署では、以上の欠格要件に該当していないかを書面で審査されます。
申請者は法律に定められた許可要件をクリアしていることを証明するため、申請書と添付書類を提出することとなります。
また、犯歴の調査は警察署から申請者・役員の本籍地の市役所・区役所に対して犯歴照会が行われます。
申請の窓口
許可申請書は、主たる営業所の最寄りの警察署の生活安全課防犯係に提出します。
警察署内の審査期間は、土日を除いて40日間とされています。
必要書類
書類 | 個人許可の申請 | 法人許可の申請 |
---|---|---|
住民票 | 申請者本人と営業所の管理者の全員 | 役員全員及び管理者の全員 |
身分証明書(※1) | 同上 | 同上 |
登記されていないことの証明書(※2) | 同上 | 同上 |
誓約書 | 同上 | 同上 |
履歴書 | 同上 | 同上 |
法人登記事項証明書 | - | 必要 |
定款の写し | - | 必要 |
賃貸借契約書のコピー(※3) | 貸主の使用承諾書賃貸物件を営業所として申請する場合 | |
URLを使用する権限があることを疎明する資料 | ホームページを用いて古物の売買を行う場合 |
※1
身分証明書とは、破産者でないことを証明する書類をいい、本籍地の市役所・区役所の戸籍部門で取ることができます。
※2
登記事項証明書とは、被後見人または被保佐人でないことを証明する書類をいい、各地の地方法務局の本局で取ることができます。
※3
事務所の賃貸契約書は、事業用のものが必要です。
申請手数料
申請の受付時に警察署手数料19,000を支払う必要があります。
警察署手数料は不許可の場合であっても返却されませんので、要件をきちんと確認した上で警察署に申請書を提出するようにしましょう。